道路を歩いていた亀を拾う
原付で道路を走っていると
道路の脇を
のっそのっそと懸命に歩いている者がいた。
「…か、亀!?」
亀の歩いてきた方向には小さな貯水池。
恐らくここから出てきたのだろう、しかし何故!?
姑の嫁いびりに耐えかねたのだろうか、
旦那のギャンブル癖に愛想をつかしたのだろうか、
「私出ていきますっ
こんな小さな池を出て、新しい場所で一人で卵を産むのっ」
亀の向かうおよそ300メートル先には、4倍近くある大きな貯水池が。
ここには同種の亀も沢山いる
新しい恋を求めてなのかもしれない
しかし、
ここは対向車線も含めて4車線もある大きな道路
車が通るたびに手足を引っ込める亀。
私は亀が好きなわけではない、亀の顔はキモイ。触りたくない。
しかしこれは放っておくわけにはいかない。
私は原付を止めて手動でバックさせ、亀の近くに止めた。
そして亀を両手に持ち、10mほど走り、亀を道路沿いの歩道に置く。
(あまり長く触っていたくないのよ)
そして原付をまた手動でバックさせ、亀の近くに止め、
亀を持ち、10メートルほど走り歩道に置く、これを繰り返した。
車道を走っている車からは
「何やってんじゃ、あの原付の女」奇異に思われたのか、皆避けていく。
原付を止めては亀を持ち走る、を繰り返すのに疲れた私は、
亀を原付に乗せ、目的の貯水池に向かって原付を押していった。
(最初からこうすればよかったわ…)
そうして辿り着いた大きな貯水池。
変な女に捕まったと思っているのか亀はずっと殻にこもったまま。
しかしここまでくればもう大丈夫であろう、達者で暮らせ、亀。
私はそう言って貯水池を後にした。
それから数日後のこと、その貯水池の側を歩いていると、その亀が再び現れた。
亀は
「この間は助けて戴き有難うございました。お礼に池の底の竜宮城へお連れしましょう。
さあ、背中に乗ってください」と誘ってきた。
私は、
こんな汚い貯水池の底に行きたくないと思い、亀の誘いを断りましたとさ。
めでたしめでたし
道路の脇を
のっそのっそと懸命に歩いている者がいた。
「…か、亀!?」
亀の歩いてきた方向には小さな貯水池。
恐らくここから出てきたのだろう、しかし何故!?
姑の嫁いびりに耐えかねたのだろうか、
旦那のギャンブル癖に愛想をつかしたのだろうか、
「私出ていきますっ
こんな小さな池を出て、新しい場所で一人で卵を産むのっ」
亀の向かうおよそ300メートル先には、4倍近くある大きな貯水池が。
ここには同種の亀も沢山いる
新しい恋を求めてなのかもしれない
しかし、
ここは対向車線も含めて4車線もある大きな道路
車が通るたびに手足を引っ込める亀。
私は亀が好きなわけではない、亀の顔はキモイ。触りたくない。
しかしこれは放っておくわけにはいかない。
私は原付を止めて手動でバックさせ、亀の近くに止めた。
そして亀を両手に持ち、10mほど走り、亀を道路沿いの歩道に置く。
(あまり長く触っていたくないのよ)
そして原付をまた手動でバックさせ、亀の近くに止め、
亀を持ち、10メートルほど走り歩道に置く、これを繰り返した。
車道を走っている車からは
「何やってんじゃ、あの原付の女」奇異に思われたのか、皆避けていく。
原付を止めては亀を持ち走る、を繰り返すのに疲れた私は、
亀を原付に乗せ、目的の貯水池に向かって原付を押していった。
(最初からこうすればよかったわ…)
そうして辿り着いた大きな貯水池。
変な女に捕まったと思っているのか亀はずっと殻にこもったまま。
しかしここまでくればもう大丈夫であろう、達者で暮らせ、亀。
私はそう言って貯水池を後にした。
それから数日後のこと、その貯水池の側を歩いていると、その亀が再び現れた。
亀は
「この間は助けて戴き有難うございました。お礼に池の底の竜宮城へお連れしましょう。
さあ、背中に乗ってください」と誘ってきた。
私は、
こんな汚い貯水池の底に行きたくないと思い、亀の誘いを断りましたとさ。
めでたしめでたし